ミモレット（6ヶ月熟成）

【ミモレットの歴史と特徴】
ミモレットは、フランス北部のリール近郊で作られるセミハードチーズです。その歴史は、17世紀にさかのぼり、当時のフランス国王ルイ14世が、エダムチーズの輸入を禁止したことがきっかけで生まれたと言われています。ミモレットの最大の特徴は、その色鮮やかなオレンジ色の外観です。これは、チーズに添加されるアナトー（ベニノキの種子から抽出した天然着色料）によるものです。

【製造工程と熟成】
ミモレットは、牛乳を加熱し、レンネットを加えて凝固させた後、カードを細かく砕きます。これにアナトーを加え、型に詰めて加圧し、成形します。その後、塩水に浸けて塩味を付けます。熟成は、約2ヶ月から6ヶ月行われます。熟成中は、チーズ表面にチーズダニを繁殖させることで、独特の風味と香りを引き出します。長期熟成されたミモレットは、表面が粗くなり、内部は濃厚でクリーミーになります。

【風味とペアリング】
ミモレットは、ナッティでフルーティな風味が特徴です。若いチーズは、やわらかく、マイルドな味わいですが、熟成が進むにつれて、風味は濃厚になり、時にはピリリとした辛味も感じられるようになります。長期熟成されたミモレットは、パルメザンチーズのような硬さと、濃厚な旨味を持ちます。ミモレットは、シャンパンやシャブリなどの辛口の白ワインと相性が良く、また、ピノ・ノワールなどの軽めの赤ワインとも好相性です。フルーツやナッツとの組み合わせも美味しく楽しめます。