エメンタール

【エメンタールの歴史と特徴】
エメンタールは、スイスのエメンタール渓谷で作られる硬質チーズです。その歴史は古く、13世紀頃から作られていたと言われています。エメンタールの最大の特徴は、チーズの内部に大きな穴が空いていることです。この穴は「アイ」と呼ばれ、製造過程で発生する炭酸ガスによって形成されます。穴の大きさや分布は、チーズの品質を判断する重要な指標の一つとなっています。

【製造工程と熟成】
エメンタールは、生乳を加熱し、レンネットを加えて凝固させた後、カードを細かく砕きます。これをチーズ型に詰め、加圧して成形します。その後、塩水に浸けて塩味を付け、熟成させます。熟成は、約2ヶ月から6ヶ月以上行われます。熟成中は、チーズを定期的に磨き、ひっくり返すことで、均一な熟成を促します。長期熟成されたエメンタールは、濃厚な風味とコクが特徴です。

【風味とペアリング】
エメンタールは、ナッティで甘みのある風味が特徴です。若いチーズは、マイルドでやや甘めの味わいですが、熟成が進むにつれて、風味は深くなり、時にはわずかな酸味も感じられるようになります。エメンタールは、ワインとの相性も良く、ピノ・グリやシャルドネなどの白ワイン、ピノ・ノワールやボジョレーなどの軽めの赤ワインと合わせるのがおすすめです。また、ナッツやドライフルーツとの組み合わせも美味しく楽しめます。